さきほどの卸問屋を利用して雑貨商品を仕入れるうえでの最大のメリットは 「
ほとんどの商品を1点からでも気軽に仕入れることができる 」 という点にあります。
これとは対照的に、雑貨メーカーと直接取引をする場合では、年に2〜4回ほど開催される個別の展示会やギフトショーに代表されるような大規模な合同展示会等において、ある程度まとまったロット(数量)の商品をいちどに発注するようになります。
雑貨メーカーとの直接取引におけるメリットは、あなたのお店のまわりの同業他店と商品構成で差別化することができる点にあります。
卸問屋で商品を仕入れる場合は、所定の用紙に必要事項を記入して申請手続きさえすれば、まずほとんどの場合、登録を断られることはありませんから、どのお店でも同じ商品を仕入れることができるようになります。
例えば、卸問屋で扱われている○○という商品が人気になれば、瞬く間にそこらじゅうのお店に同じ商品が並ぶようなことも充分に起こりえます。
しかし、自社製のオリジナル商品や代理店契約のあるブランドの輸入商品等を扱っているような雑貨メーカーの場合、同じ地区や地域で自社の商品がバッティングしないように1地区1店の取引というような業界ルールがあります。
仮に、A社の取り扱い雑貨商品を販売させてもらうために、新規の取引を申し込んだ場合、まずA社は、そのエリアで既に取引をしている既存店がないかを調べます。 もしA社の考える同一商圏内に既に取引店がある場合は、新規の取引はしてもらえません。
このように通常、メーカーとの取引においては、地域バッティングという概念がありますから、いくらお気に入りの商品を販売しているメーカーから商品を仕入れたくても、あなたのお店のエリア内で、既に取引をしている雑貨店等がある場合は、そのメーカーの商品を取り扱うことは難しいといえます。
今まで継続的に商品を仕入れてくれていたお得意様のご機嫌をそこねるようなリスクを犯してまで、商圏がかぶる地域での取引はしてもらえません。
既にあなたが何店かのお店を営業中で、ある程度の販売予測がつく場合などには、まだ取引を考慮してもらえるかもしれませんが
「 どれくらいの売上げがかせげるのか?」 も全くわからない新規オープン店では、まず無理だといえます。
しかし以下のようなパターンでは、たとえ同じ商圏内、同じ商店街に販売店がある場合でも、新規の取引に応じてくれるメーカーもあります。

自社のオリジナルブランドを持たず、業者向けの卸問屋などから商品を仕入れて、小売店に販売しているようなメーカーの場合は、新規の取引にも比較的柔軟に応じてくれます。
ただし、商品構成は卸問屋とあまり差異はありませんから、同業他店にも同じ商品が並ぶ可能性があります。

年齢層やテイスト別に複数のブランド(ライン)を展開しているメーカーの場合は「
Aのブランドは既に販売店があるが、Bというブランドならば取引可能 」 という場合もあります。
その他にも服飾雑貨関連のメーカーなどでは 「 バッグや財布関連はダメだが、アクセサリーに関しては取引可能
」 というようなパターンもあります。

代金の支払い状態などに問題があり、現在取引をしているお店との関係が良好でない場合にも新規の取引に応じてくれることがあります。
このパターンでは、取引開始から1年間は代引き(商品と引き換えに現金を払う)での取引等の支払い条件を提示されることがあります。
新規取引をお願いするうえでは 「どうしても御社の商品を扱いたい!」 という強い熱意を担当者に伝えることが重要なポイントとなります。
以上の点を踏まえたうえで、あなたのお目当ての雑貨メーカーを探してみてください。
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